
代理店のいいなりではないですか?
テレビを見ていると、地域企業のCMが流れてきます。
会社名が表示され、
「地域とともに歩む○○株式会社」
「皆さまの暮らしを支える○○建設」
といったナレーションが流れる。
ラジオでも同じです。
決して悪い内容ではありません。
企業イメージを損なうような表現でもありません。
ただ、ここで一度考えてみてください。
そのCM、本当に覚えていますか?
そして広告主の方には、もう一つ考えていただきたいことがあります。
その広告、本当に効果が出ていますか?
「毎年やっているから」
「代理店に勧められたから」
「テレビCMを出している会社というだけでも信用につながるから」
そんな理由だけで、広告費を払い続けてはいないでしょうか。
今回は、テレビ・ラジオ・Web広告を含めて、広告の「効果」について考えてみます。
「広告を出した」と「広告が効いた」は、まったく違います
広告では、つい次のような数字に目が向きます。
- テレビCMを100本放送した
- ラジオCMを毎日流した
- Web広告が10万回表示された
- 1,000回クリックされた
- SNS広告で5万人にリーチした
数字が大きいので、何となく「成果が出ている」ように感じます。
しかし、これらは基本的に広告を届けた量を示しているだけです。
本当に知りたいのは、
- 会社名を覚えてもらえたのか
- 商品やサービスを理解してもらえたのか
- 問い合わせが増えたのか
- 来店につながったのか
- 売上や利益につながったのか
という結果ではないでしょうか。
広告主「100万回表示されたと言われると、すごく見えるね」
担当者
「でも、問い合わせが0件だったら……?」
広告主
「そこを確認しないと、本当の効果は分からないね」
会社名とスローガンを流すだけで、本当に覚えてもらえる?
地方のテレビCMやラジオCMでは、企業名とスローガンを中心にした広告をよく見かけます。
たとえば、
「安心と信頼の○○建設」
「地域の未来をつくる○○株式会社」
といった内容です。
問題は、ほかの会社にもそのまま使えてしまうことです。
「安心と信頼」
「地域密着」
「暮らしを支える」
「未来をつくる」
どれも悪い言葉ではありません。
しかし、似た表現が多いため、その会社固有の記憶につながりにくいという問題があります。
CMを見た人が数日後に、
「そういえば○○建設のCMを見た」
と思い出せなければ、認知広告として十分に機能しているとは言いにくいでしょう。
広告で重要なのは、単に露出することではありません。
記憶に残ることです。
「テレビCMをしている会社だから安心」は、本当に成立している?
広告代理店から、
「テレビCMを出している会社というだけで信用につながります」
と説明されることもあります。
確かに、そのような効果が生まれるケースはあります。
しかし、それには一つ条件があります。
視聴者が、その会社がCMを出していることを認識していることです。
CMそのものを覚えていなければ、
「テレビCMを出している会社だから安心」
という評価自体が発生しません。
つまり、
CMを放送した
=
信用が上がった
ではないのです。
ここにも確認が必要です。
効果が分かりにくいことを、効果測定しない理由にしてはいけない
テレビやラジオは、Web広告ほど細かな測定ができません。
CMを見た人が、
数日後に会社名を検索し、
Webサイトを見て、
家族と相談し、
さらに数週間後に電話をした。
この一連の流れを完全に追跡することは難しいでしょう。
そのため、
「CMの効果は数字では分からない部分があります」
という説明自体は間違いではありません。
ただし、
分かりにくいことと、測らなくてよいことは別です。
たとえば、
- CM放送前後の指名検索数
- Webサイトへの直接アクセス
- 問い合わせ数
- 電話件数
- 簡単な認知度調査
- 「何を見て知ったか」のアンケート
などを見るだけでも、判断材料は増えます。
「効果が分からないから仕方ない」
ではなく、
分かる範囲をできるだけ測る。
これが広告費を預かる側の基本姿勢ではないでしょうか。
Web広告なら、さらに厳しく考える必要があります
Web広告は、テレビやラジオと違って多くの数字を取得できます。
- 表示回数
- クリック数
- クリック率
- 広告単価
- 問い合わせ数
- 資料請求数
- 購入数
- コンバージョン率
- 1件の問い合わせ獲得にかかった費用
かなり細かく確認できます。
にもかかわらず、
「今月は10万回表示されました」
「クリック数が20%増えました」
という報告だけで終わっている場合は注意が必要です。
本来知りたいのは、
その結果、何件の成果につながったのか
です。
クリック数は売上ではありません
たとえば、月20万円のWeb広告を出したとします。
結果が、
- 表示回数:100,000回
- クリック数:1,000回
- 問い合わせ:2件
だったとします。
「1,000人がサイトを見ました」
と説明されれば、成果が出ているようにも聞こえます。
しかし、問い合わせ1件あたりの広告費は、
20万円 ÷ 2件 = 10万円
です。
この10万円が高いのか安いのかは、商品やサービスによって違います。
1件の契約で100万円の利益が出る商売なら問題ないかもしれません。
一方、数万円の商品を販売しているなら、広告方法を見直す必要があります。
重要なのは、
大きな数字を見るのではなく、事業にとって意味のある数字を見ることです。
「ブランディングだから数字では測れません」にも注意
広告の効果を尋ねると、
「これはブランディング広告ですから」
と言われることがあります。
もちろん、ブランドイメージを高めることを目的とした広告はあります。
しかし、ブランディングだから何も測れないわけではありません。
たとえば、
- 企業名の認知率
- 広告の認知率
- 指名検索数
- ブランド名での検索回数
- 好意度
- 購入意向
などを調べることができます。
つまり、
売上だけが広告効果ではありませんが、何も測れない広告もまた少ない
ということです。
「代理店に任せているから安心」ではありません
広告代理店には、広告媒体や広告運用に関する専門知識があります。
だからこそ任せる価値があります。
ただし、
専門家に任せることと、判断まで丸投げすることは違います。
広告主側でも、最低限次のことは確認した方がよいでしょう。
- この広告の目的は何か
- 誰に届けたいのか
- 何を覚えてほしいのか
- 何をもって成功と判断するのか
- どの数字を測定するのか
- 効果が悪かった場合は何を改善するのか
これらに明確な答えがない状態で、
「とりあえず昨年と同じ予算で」
となっているのであれば、一度立ち止まる価値があります。
広告は「出すもの」ではなく「改善するもの」
特にWeb広告は、一度出稿したら終わりではありません。
広告文を変える。
画像を変える。
ターゲットを変える。
広告を出す地域を変える。
ランディングページを変える。
問い合わせフォームを改善する。
数字を見ながら少しずつ改善できます。
テレビやラジオでも、
- コピーを変える
- 印象に残る音を作る
- キャラクターを使う
- 具体的なサービス内容を伝える
- Webサイトへの導線を用意する
といった改善は可能です。
広告費を増やす前に、
今の広告そのものを改善できないか
を考えるべきでしょう。
「どこに出すか」より「何を伝えるか」
広告媒体の話になると、
「テレビがいい」
「今はSNSだ」
「Google広告が一番効く」
という話になりがちです。
しかし、媒体だけを変えても、広告内容が弱ければ結果は出ません。
たとえば、
「地域とともに○○年」
という広告を、
テレビからInstagramに変えただけでは、必ずしも成果は改善しません。
重要なのは、
誰に、何を、どのように伝えるか。
その上で、
テレビ
ラジオ
Google
YouTube
Instagram
LINE
自社Webサイト
のどこを使うのが効率的かを考えます。
順番としては、
媒体を決めてから広告を作るのではなく、目的を決めてから媒体を選ぶ
方が自然です。
同じ100万円でも、使い方は一つではない
仮に年間100万円の広告予算があるとします。
すべてテレビCMに使う方法もあります。
しかし、
- CM制作改善:30万円
- テレビ・ラジオ:30万円
- Web広告:25万円
- 効果測定:15万円
といった使い方もできます。
何が正解かは会社によって違います。
だからこそ、
「今までこうしていたから」ではなく、費用対効果を見ながら予算を配分する
ことが重要です。
広告代理店に聞いてみてください
現在広告を出している企業の方は、代理店に次の質問をしてみてください。
「この広告の目的は何ですか?」
「成果は何の数字で判断していますか?」
「今の広告が効いている根拠は何ですか?」
「同じ予算で、もっと効果的な方法はありませんか?」
「成果が悪かった場合、次に何を変更しますか?」
明確な答えが返ってくるのであれば、広告戦略を一緒に考えてくれる代理店でしょう。
一方、
「広告は継続が大事です」
「認知度向上につながります」
という説明だけで終わるなら、もう一歩踏み込んで確認してもよいと思います。
広告をやめる必要はありません
今回お伝えしたいのは、
広告は無駄だからやめましょう
という話ではありません。
広告には大きな力があります。
良い広告は、
- 新しい顧客に会社を知ってもらう
- 商品の魅力を伝える
- 問い合わせを増やす
- 採用につなげる
- ブランドを育てる
ことができます。
だからこそ、
なんとなく広告費を使うのはもったいない
のです。
広告主のひとこと
広告主
「広告って、出したら終わりじゃないんだね」
担当者
「むしろ、そこからが始まりです」
広告主
「じゃあ最初に確認することは?」
担当者
「『この広告で、何を良くしたいのか』ですね」
広告主
「その答えがないまま広告を出していたら?」
担当者
「一度、広告そのものを見直した方がいいかもしれません」
まとめ
広告で重要なのは、
何回流したかでも、何回表示されたかでもありません。
その結果、
- 認知が増えたのか
- 記憶されたのか
- 問い合わせが増えたのか
- 売上につながったのか
を確認することです。
広告代理店に任せること自体は問題ありません。
ただし、
「代理店が勧めたから」という理由だけで続ける必要もありません。
広告も設備投資やシステム導入と同じです。
目的を決め、数字を確認し、改善する。
それが、広告費を「経費」ではなく「投資」に変える第一歩です。
その広告、ほんとに効果ありますか?
次回の広告更新前に、一度その数字を確認してみてはいかがでしょうか。
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