社内AIへ大量の資料を毎回まとめて渡すのではなく、最初に資料の「目次」を作り、質問に必要な文書だけを選ぶ運用へ変えます。このテンプレートは、共有フォルダや社内ストレージにある規程、手順書、議事録、申請書、商品資料などを対象に、小さく始めるためのものです。
目的は資料を細かく分類することではなく、AIと社員が「どの資料を、いつ、どの条件で読むべきか」を判断できる状態にすることです。
このテンプレートを使う場面
- 共有フォルダに資料が増え、必要なファイルを探す時間が長くなった
- 社内AIへ複数のファイルを渡しているが、古い資料や無関係な資料まで読ませている
- 同じ質問でも、担当者によって参照する資料が違う
- 機密資料を外部AIへ送らないルールを、資料単位で整理したい
- 将来のRAG(検索拡張生成)導入に備えて文書を整理したい
まず作る3つのもの
- INDEX.md:部署や業務ごとの大分類と検索方針
- DOCUMENT_INDEX.csv:各資料の要約、状態、更新日、参照可否をまとめた台帳
- AI利用ルール:機密区分、入力してよいAI、最終確認者を定めた短い規程
最初から全社の資料を対象にする必要はありません。問い合わせ対応、社内規程の確認、商品説明など、質問が繰り返される1業務から始めます。
DOCUMENT_INDEX.csvの基本項目
| 項目 | 記入内容 | 更新方法 |
|---|---|---|
| document_id | 資料を識別する固定ID | 初回登録時に自動採番 |
| title | 社員が理解できる資料名 | 文書タイトルまたは人が確認 |
| category | 総務、経理、人事、営業などの大分類 | フォルダ既定値を利用 |
| summary | 何のための資料かを100~200文字で説明 | AI案を人が確認 |
| keywords | 検索に使う表記や言い換え | AI案を人が確認 |
| file_path | 実ファイルの保管場所 | 自動取得 |
| owner | 内容を更新する部署・担当 | 人が決定 |
| status | draft、current、archive、obsolete | 人が決定 |
| confidentiality | public、internal、confidential、restricted | 人が決定 |
| updated_date | 内容を確認した日 | 更新時に記録 |
| ai_read_policy | 外部AI可、社内AIのみ、AI参照禁止など | 人が決定 |
一般企業向けの記入例
| ID | 資料名 | 状態 | 要約 | AI参照方針 |
|---|---|---|---|---|
| DOC-001 | 出張旅費規程 | current | 国内出張の申請、精算、上限額を定めた現行規程 | 社内AIのみ |
| DOC-002 | 旧経費精算手順 | obsolete | 旧システムで使用した手順。現行回答には使わない | AI参照禁止 |
| DOC-003 | 商品問い合わせ回答集 | current | 一般的な商品仕様と回答例。個別顧客情報は含まない | 承認済みAI可 |
導入手順
- 対象業務を1つ決める:質問件数が多く、参照資料が20~100件程度の範囲を選びます。
- 現行資料を洗い出す:ファイル名、場所、更新日、管理部署を取得します。
- 重複と旧版を分ける:削除せず、current、archive、obsoleteを付けます。
- 要約とキーワードを作る:AIで下書きしても、内容と機密区分は資料の管理者が確認します。
- 質問から候補資料を選ぶ:まずインデックスを検索し、候補を数件に絞ってから本文を読みます。
- 回答の根拠を表示する:資料ID、資料名、更新日を回答と一緒に残します。
- 月1回見直す:旧版、所有者不明、更新期限超過を確認します。
ファイル追加・変更時の分担
| 自動取得 | AIが下書き | 人が決定 |
|---|---|---|
| ID、ファイル名、パス、形式、更新日時、ハッシュ | タイトル候補、要約、キーワード、分類候補、関連資料候補 | 管理部署、責任者、現行状態、機密区分、AI参照可否 |
19項目すべてを毎回手入力すると運用が続きません。フォルダから継承できる値と、自動取得できる値を増やし、人が判断すべき項目だけを残します。
AIへ渡すときのルール
- 原則としてstatusがcurrentの資料を優先する
- archiveは経緯確認が必要な場合だけ使う
- obsoleteは回答根拠に使わない
- restrictedやAI参照禁止の資料は検索結果にも出さない
- 顧客名、個人名、連絡先、契約内容などを外部AIへ未加工で送らない
- 回答には参照した資料IDと更新日を付け、人が原文を確認する
効果測定
| 指標 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 1件の回答で開いた資料数 | 実測 | 実測 |
| 資料を探す時間 | 分 | 分 |
| AIへ渡した入力トークン | 利用サービスの記録 | 利用サービスの記録 |
| 旧版を参照した件数 | 件 | 件 |
| 人が修正した回答の割合 | % | % |
トークン数だけを成果にせず、検索時間、回答品質、旧版参照、機密情報の扱いも一緒に確認します。
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まとめ
最初に必要なのは、高価な検索システムではありません。対象業務を絞り、資料の状態、要約、機密区分、AI参照可否を一覧にすることです。インデックスから候補を絞り、必要な本文だけを読む流れを定着させると、検索時間とAIへ渡す資料量の両方を減らしやすくなります。